英国公使パークスの鹿児島来航
慶応2(1866)年6月16日、英国公使パークスを乗せたイギリス軍艦プリンセス・ロイヤル他三隻が鹿児島湾に入った。文久3(1863)年7月の薩英戦争以来始めてとなるイギリス軍艦の入港である。
今回の入港は前回と異なり、薩摩藩と英国の親睦を深めることが目的とされていた。
パークスは、慶応元(1865)年に駐日特命全権公使兼総領事に任命され、それ以前は中国の厦門や上海で領事を務め活躍していた人物である。来日した際には、フランスとアメリカ、オランダとともに改税約書の締結などを幕府に要求し、外国人の自由貿易の安全を確保することに成功した。パークスは同時期に、長州藩の伊藤博文や高杉晋作とも接触している。これはフランス公使ロッシが幕府との関係強化に努めたことに対する行動でもあった。友好を求めての鹿児島来訪であったが、鹿児島では未だに薩英戦争の記憶新しく警戒心が強い藩士もおり微妙な雰囲気もあったが、来航が決まると藩主ら総出で歓迎ムードを演出することになった。
では鹿児島滞在の内容については次回。